砂の器の意味について教えてください。
このような声にお応えして参考となる記事をご用意しました。
こちらの記事では砂の器の意味について解説しています。
記事の内容を見ていただくだけで砂の器を更に楽しめますよ。
どんな意味が込められているのかな。
砂の器の意味3つ
砂の器の意味は映画の冒頭でも示されている他にもいくつか解釈がありますのでご紹介します。
以下でそれぞれ解説します。
①つくっては壊れを繰り返す砂の器のように人の幸せは儚いもの
砂の器の映画版の冒頭では砂で器を作るシーンにおいて「つくっては壊れを繰り返す砂の器のように人の幸せは儚い(はかない)もの」という言葉が出てきました。
砂で作った器には、何を入れようとしても絶対に満ちることはなく、いずれ壊れ崩れていくのが砂の「宿命」です。
犯人の和賀英良(わが えいりょう)が必死で隠そうとした過去を「宿命」として、和賀の人生そのものを砂の器と表現したのでした。
栄光や名声が壊れて崩れていく様子を表したんですね。
②和賀英良の気持ちを表したもの
砂とは、海水又は水で一瞬にして崩れ去ってしまうものです。
自分の我欲のために、守ろうとした幸せさえも一瞬にして崩れてしまう犯人和賀英良の気持ちを表したものだという解釈もあります。
長い間隠してきた自分の過去が明らかになり、和賀英良として築き上げてきた地位や名声が一瞬にしていくというラストがまさに砂の器でしたね。
③器は人間のたとえ
砂の器の砂の部分は「もろさ」「一瞬で崩れさるもの」という意味ですが、器は「人間」を表しています。
聖書には、人間を神様が作られた「土の器」にたとえた部分があります。
たとえば「あの人は社長の器ではない」というように「器」は「人間」のたとえでもあります。
つまり砂の器とは「もろくて一瞬で崩れさる人間」という意味でもあるのです。
砂の器の意味は父親への愛情をあらわしたものだという考えもある
砂の器という意味の解釈は他にもあります。
それは、和賀英良が父親の千代吉へ残した愛情の表れなのではないかという解釈です。
砂の器はどんなにぎゅうぎゅうと固くおさえて作っても、乾くとさらさらと崩れてしまいます。
しかし、崩れてしまいますがそこに半端に残り、消えてなくなるわけではありません。
これは愛と憎しみが混ざり合った、和賀英良なりの父親への気持ちを表しているのかもしれませんね。
砂の器の意味に関するQ&A
砂の器の意味に関するQ&Aは以下のとおりです。
以下でそれぞれ詳しく解説します。
①砂の器のあらすじは?
東京都内の蒲田駅で起きた、ある殺人事件を担当する今西刑事の地道な捜査と犯人の和賀英良の過去を描いています。
天才音楽家として活躍していた和賀英良の父がハンセン病であり、それを隠すために和賀は自分の過去を知る三木謙一を殺しました。
刑事の今西によって真相は暴かれ、コンサートで「宿命」を弾いている和賀に逮捕令状が出され物語は幕を閉じました。
自分の過去を消すための殺人だったんですね。
⇩砂の器のあらすじは以下の記事で詳しく解説していますのでご覧下さい。
②砂の器が放送できない理由は?
砂の器が放送できない理由は、ハンセン病を扱っているからです。
1本目の映画化の際、ハンセン病への偏見や差別を広げかねないという理由でハンセン病患者団体からの抗議を受け、松本清張さんの遺族たちが「今後ハンセン病を扱う作品を放送しない」と決めました。
⇩砂の器を放送できない理由は以下の記事で詳しく解説していますのでご覧下さい。
③砂の器はおかしい?
砂の器はおかしいといわれる点もあります。
今西刑事の勘が鋭すぎたり、血の付いたシャツの処分の仕方がロマンチックすぎるという理由でおかしいといわれてしまうようですね。
⇩砂の器がおかしいことに関しては以下の記事で詳しく解説していますのでご覧下さい。
④砂の器はハンセン病を扱っている?
砂の器の原作と1本目の映画化作品では、ハンセン病が物語全体の大きなポイントとなっています。
ただし、1974年以降のリメイク作品では「父がハンセン病」という設定は扱えなくなったため、精神病や殺人犯という設定に変えられていますので注意が必要です。
⑤砂の器のネタバレは?
砂の器の最大のネタバレは犯人が和賀英良だということです。
殺人の動機は、自分の過去(作品によって設定が違います)を隠し通すためでした。
⇩砂の器のネタバレは以下の記事で詳しく解説していますのでご覧下さい。
⑥砂の器のカメダとは?
作品の前半に出てくる「カメダ」とは出雲の奥地にある「亀嵩(かめだけ)」という地名のことです。
当時は人名なのか地名なのかすらわからなかったので、物語のカギを握る謎めいたキーワードでした。
⑦砂の器に中居君が出ている?
砂の器は2004年に中居正広さん主演でドラマとしてリメイクされています。
この作品では中居さん演じる和賀英良は天才ピアニストという設定でした。
⑧砂の器は実話?
砂の器は実話ではありません。
ただし、ハンセン病患者があてのない旅に出るという状況は実際によくあることだったようです。
⇩砂の器は実話なのかに関しては以下の記事で詳しく解説していますのでご覧下さい。
砂の器の意味のまとめ
砂の器の意味について解説しました。
最後に簡単にまとめると、以下の通りです。
- つくっては壊れを繰り返す砂の器のように人の幸せは儚いもの
- 和賀英良の気持ちを表したもの
- 器は人間のたとえ
- 父親への愛情をあらわしたもの
砂の器は原作者である松本清張氏のタイトルセンスが光る名作です。
和賀英良が必死に固めてきた人生(砂の器)が後半で崩れ去っていく様子が描かれていますので、気になる方は作品を是非チェックしてみてください。