砂の器がおかしいといわれる理由ついて教えてください。
このような声にお応えして参考となる記事をご用意しました。
こちらの記事では砂の器がおかしいといわれる理由について簡単に解説しています。
記事の内容を見ていただくだけで砂の器を更に楽しめますよ。
どうしておかしいといわれるのかな。
砂の器がおかしいといわれる理由2選
砂の器がおかしいといわれる理由は以下の2つです。
以下でそれぞれ解説します。
①今西刑事の勘が鋭すぎるから
砂の器では今西刑事の勘が冴えわたり、和賀英良(わが えいりょう)が実は本浦秀夫だったことをつきとめますが、なぜそれに気づいたのか疑問を持った方が多いようです。
今西刑事が和賀英良の存在を意識したのは、殺された三木謙一が映画館の売店に映っていた和賀英良の写真を見て上京したと判明したことがきっかけでした。
事件と関係があると考えた今西刑事は和賀英良の戸籍を調べましたが、空襲のせいで今の戸籍があてにならないことを知ります。
さらに戸籍がある大阪の家に出向くと、近所の老人から三木謙一と和賀英良が本当の親子ではないことを聞き、ますます調べを進めたのでした。
すさまじい刑事の勘だったんですね。
②血の付いたシャツの処分の仕方がロマンチックすぎるから
砂の器では、和賀英良が犯行時に着ていた血の付いたシャツの処分を愛人に頼みます。
この愛人はなんとそのシャツを切り刻んで、汽車の窓から紙切れのようにばらまくという方法をとりました。
その様子を記者に見られていたため新聞のコラムに書かれて、その記事を読んだ今西が線路を歩いて探し回り、やっとの思いで血が付いたシャツの切れ端を発見するという流れでした。
美しい女性が汽車からまいたシャツの切れ端が紙吹雪のように見えるという描写はロマンチックではありますが、かなり不自然でもあります。
そもそも自分の殺人の証拠になるシャツを愛人に任せるという和賀英良も少しおかしいですし、それをわざわざ目立つ方法で処分する愛人の行動もおかしいですよね。
この場面は砂の器でも有名ですが、多くの観客にインパクトと共に疑問を残したシーンでもありました。
そして①にもつながりますが、この紙吹雪の記事を読んで事件と関連があるのではと考えた今西刑事の勘はやはり鋭すぎますよね。
砂の器の父の設定がおかしい
砂の器では、和賀英良の父の設定についてもおかしいという批判もあります。
原作と1本目の映画化作品では、和賀英良の父はハンセン病だという設定でした。
しかしそれ以降のリメイク作品では父は殺人犯であるという設定に変えられていたため、原作ファンからすると「おかしい」と感じたようですね。
これは1本目の映画化の際に、ハンセン病への偏見や差別を広げる内容だといってハンセン病患者団体からの抗議があったことが影響しています。
犯人の殺人の動機にハンセン病が大きく関わっている、というのがこの物語の重要なポイントでもあったのですが、そこが丸々なかったことにされてしまうと話が全く変わってきてしまいます。
リメイク作品では、テーマ自体が違うのでもはや別物だと感じる方も多かったようですね。
砂の器がおかしいといわれる理由に関するQ&A
砂の器がおかしいといわれる理由に関するQ&Aは以下のとおりです。
以下でそれぞれ詳しく解説します。
①2019年の砂の器はひどい?
2019年に「砂の器」はフジテレビ開局60周年ドラマとしてリメイクされました。
これは2018年、ハロウィン当日の渋谷で発見されたぼく殺死体にまつわる事件を捜査する刑事・今西栄太郎が、天才作曲家の和賀英良と心理戦を繰り広げていくというストーリーでした。
- 東山紀之
- 中島健人
- 柄本明
- 土屋太鳳
というキャスト陣が話題を呼びましたが、原作の社会派ミステリーが現代版にリメイクされたことで内容が軽くなってしまっていると批判を受けました。
テーマに重みがなかったんですね。
②砂の器のリメイクはひどい?
1本目の映画化作品以外のリメイクはひどいという評判が多いです。
これは「和賀英良の父がハンセン病」という設定が変わってしまったことも影響しており、作品として深みがなくなったといわれがちです。
特に2019年にリメイクされた作品はハロウィンなども関係していたため、あまりにも現代的すぎて中身が薄いといわれました。
③砂の器はどれが一番いい?
砂の器は何度もリメイクされていますが、1974年に公開された1本目の映画化作品が一番いいと言われています。
原作に一番忠実な設定で重みのある作品に仕上がっていることや、テーマ曲に「宿命」を使った構成が絶賛され続けています。
④砂の器の海外の反応は?
原作が松本清張であるということから、砂の器は海外からもかなり注目されている作品です。
特に中国では広く受け入れられ、この作品が扱う「宿命」というテーマが中国社会に生きる自分たちの生き方を考え直すきっかけになったようです。
⑤砂の器は実話?
砂の器は実話ではありません。
ただし、ハンセン病患者があてのない旅に出るという状況は実際によくあることだったようです。
⑥砂の器のあらすじは?
天才音楽家の和賀英良は、ハンセン病の父・千代吉とのつながりを隠すために自分の過去を知る男・三木をぼく殺します。
刑事の今西によって真相は暴かれ、コンサートで「宿命」を弾いている和賀に逮捕令状が出され物語は幕を閉じました。
⑦砂の器に中居君が出ている?
砂の器は2004年に中居正広さん主演でドラマとしてリメイクされています。
この作品では中居さん演じる和賀英良は天才ピアニストという設定でした。
⑧砂の器が放送できない理由は?
砂の器が放送できない理由は、ハンセン病を扱っているからです。
1本目の映画化の際、ハンセン病への偏見や差別を広げかねないという理由でハンセン病患者団体からの抗議を受け、松本清張さんの遺族たちが「今後ハンセン病を扱う作品を放送しない」と決めました。
⇩砂の器が放送できない理由は以下の記事で詳しく解説していますのでご覧下さい。
砂の器がおかしいといわれる理由まとめ
砂の器がおかしいといわれる理由について解説しました。
最後に簡単にまとめると、以下の通りです。
- 今西刑事の勘が鋭すぎるから
- 血の付いたシャツの処分の仕方がロマンチックすぎるから
- 和賀英良の父の設定が変わってしまったから
砂の器は今西刑事の地道な捜査の様子が細かく描かれた作品です。
鋭い勘と裏腹にていねいな捜査をする様子がわかりますので、是非チェックしてみてください。