砂の器が放送できない理由ついて教えてください。
このような声にお応えして参考となる記事をご用意しました。
こちらの記事では砂の器が放送できない理由について簡単に解説しています。
記事の内容を見ていただくだけで砂の器を楽しく見れますよ。
どうして放送できないのかな。
砂の器が放送できない理由2選
砂の器が放送できない主な理由は以下の2つです。
以下でそれぞれ解説します。
①ハンセン病を扱っているから
砂の器では、犯人の和賀英良(わが えいりょう)の父親がハンセン病という設定です。
ハンセン病患者を
- シミのある土気色のメイク
- ボロボロの服
- ずらしてはめられた軍手(歪んだ手)
という表現で描きました。
これらの表現は他の映画
- 「小島の春」
- 「ここに泉あり」
- 「愛する」
などでも共通して使われており、ハンセン病患者を映像化するための定番となっています。
しかしこれらはハンセン病患者への偏見や差別的表現だとされ、批判を受けることになりました。
さらに犯人の和賀英良が「自身の父親がハンセン病であることを隠すために殺人を犯す」という設定が患者団体から抗議を受けたことで、放送できなくなったのです。
ハンセン病患者の方が不快に思ったんですね。
②遺族が許可しないから
ハンセン病患者団体からの抗議を受けて、原作者の松本清張さんの遺族は「ハンセン病を取り扱う作品を放送しない」と決めました。
これによって映画「砂の器」は放送できなくなってしまったのです。
ハンセン病という設定を全てカットしたリメイク版の制作は許可されたため、このあとの作品では和賀英良の父親がハンセン病であるという設定はなかったことになりました。
砂の器が放送できない理由のハンセン病とは?
ハンセン病とは、ノルウェーのアルマウェル・ハンセン医師が発見した「らい菌」によって起こる感染症です。
感染し発病すると、手足などの末梢神経(まっしょうしんけい:中枢神経である脳・せきずいから枝分かれして、途中で合流したり、また枝分かれしたりして身体の各部位に伸びているもの)が麻痺し、
- 汗が出なくなったり
- 痛い
- 熱い
- 冷たい
といった感覚がなくなることがあり、皮ふにさまざまな病的な変化が起こったりします。
ハンセン病は、かつては「不治の病」とも考えられていましたが、有効な治療薬の開発により、早期発見と早期治療によって後遺症を残さずに治るようになりました。
現代においては感染することも発病することもほぼありません。
日本では毎年数名の新規患者が発生していますが、過去の病気になってきています。
ハンセン病のポイント
らい菌の感染力は弱く、乳幼児などの免疫力の弱い人が大量かつひんぱんに口や鼻から吸い込まなければ感染することはまずありません。
また、療養所に入所している方々のハンセン病は既に全員治っています。
患者やその家族に対して、差別や偏見を助長するような呼び方を使用することは避けたほうがいいでしょう。
砂の器が放送できない理由に関するQ&A
砂の器が放送できない理由に関するQ&Aは以下のとおりです。
以下でそれぞれ詳しく解説します。
①2019年の砂の器はひどい?
2019年に「砂の器」はフジテレビ開局60周年ドラマとしてリメイクされました。
これは2018年、ハロウィン当日の渋谷で発見されたぼく殺死体にまつわる事件を捜査する刑事・今西栄太郎が、天才作曲家の和賀英良と心理戦を繰り広げていくというストーリーでした。
東山紀之、中島健人、柄本明、土屋太鳳というキャスト陣が話題を呼びましたが、原作の社会派ミステリーが現代版にリメイクされたことで内容が軽くなってしまっていると批判を受けました。
テーマに重みがなかったんですね。
②砂の器の父の設定はなぜ変わったの?
なぜ和賀英良の父の設定がリメイク作品では変えられたのかというと、原作や1本目の映画化作品におけるハンセン病の父を持つことを隠すために殺人が行われたというストーリーに批判があったからです。
ハンセン病患者団体からの抗議を受け、その後は父は殺人犯という設定が主流になりました。
③砂の器はどれが一番いい?
砂の器は何度もリメイクされていますが、1974年に公開された1本目の映画化作品が一番いいと言われています。
原作に一番忠実な設定で重みのある作品に仕上がっていることや、テーマ曲に「宿命」を使った構成が絶賛され続けています。
④砂の器のリメイクはひどい?
原作や1本目の映画化作品と比べると、ハンセン病というテーマを扱えなくなったためそもそもの脚本を大幅に変える必要があったため、その変化がひどいという評判になりました。
時代設定がおかしくなったり内容に深みがなくなったように感じた方が多かったようですね。
⑤砂の器の中居君の父親役は?
中居正広さんが主演の「砂の器」では原田芳雄(はらだ よしお)さんが父親役を演じました。
ハンセン病の代わりに死刑囚という設定で描かれました。
⑥中居君版の砂の器のあらすじは?
新進気鋭のピアニスト・和賀(中居)は、大量殺人を犯した父・千代吉(原田芳雄)とのつながりを隠すために自分の過去を知る男・三木(赤井英和)をぼく殺します。
刑事の今西(渡辺謙)によって真相は暴かれ、コンサートで「宿命」を弾いている和賀に逮捕令状が出され物語は幕を閉じました。
⑦砂の器の放送予定は?
砂の器は、テレビでの放送予定は残念ながらありません。
ただ、以下の映画館で放映予定がありますので気になる方は是非チェックしてみてはいかがでしょうか?
小田原シネマ館(神奈川県小田原市)
日時:11月1日(金)15:00~
11月6日(水)19:15~
11月7日(木)14:30~
山口情報芸術センター(山口県山口市)
日時:11月24日(日)10:30~
11月28日(木)13:05~
※24日は春日太一さんのトークイベントあり
⑧砂の器のネタバレは?
砂の器の最大のネタバレは犯人が和賀英良だということです。
殺人の動機は、自分の過去(作品によって設定が違います)を隠し通すためでした。
⑨砂の器の歴代キャストは?
主な登場人物の歴代キャストは以下の通りです。
刑事の今西栄太郎役ー丹波哲郎、仲代達矢、田中邦衛、渡辺謙、小林薫、東山紀之
刑事の吉村弘役ー森田健作、山本亘、伊原剛志、永井大、玉木宏、野村周平
犯人の和賀英良役ー加藤剛、田村正和、佐藤浩市、中居正広、佐々木蔵之介、中島健人
⑩砂の器の父はなぜ殺されたの?
和賀英良の実の父(元浦千代吉)が殺されたのではなく、和賀英良の昔のことを知っている育ての親である三木が殺されました。
割と混同されやすい部分です。
砂の器が放送できない理由まとめ
砂の器が放送できない理由について解説しました。
最後に簡単にまとめると、以下の通りです。
- ハンセン病を扱っているから
- 遺族の許可が下りないから
- ハンセン病は過去の病気である
砂の器は扱っているテーマが重いため批判も多い社会派ミステリーです。
各作品ごとに時代背景にあった設定になっていますのでリメイク版もあわせて是非チェックしてみてください。