砂の器のネタバレついて教えてください。
このような声にお応えして参考となる記事をご用意しました。
こちらの記事では砂の器のネタバレしています。
記事の内容を見ていただくだけで砂の器を更に楽しめますよ。
どんなネタバレがあるのかな。
砂の器のネタバレ3選
砂の器のネタバレを以下の3つに分けて解説します。
以下でそれぞれ解説します。
①犯人は和賀英良であること
砂の器では、現代音楽家として有名な和賀英良(わが えいりょう)が犯人であることが最大のネタバレです。
和賀英良は本浦秀夫として父の本浦千代吉とさすらいの旅をしながら生きており、それに同情した三木謙一に保護されました。
しばらくは三木のもとで暮らしていましたが、ある日何も言わずに出ていき、大阪にたどり着きます。
そして戦後の混乱で戸籍がなくなったことに乗じて、別の人間「和賀英良」として新しい人生を送っていました。
秀夫は、和賀として音楽の才能を花開かせ、賞賛を浴びる人生を送っていたのですが、和賀がマスコミに注目されたことで、三木に「本浦秀夫=和賀英良」だと気づかれてしまいます。
三木は上京し和賀と再会しました。
三木は現在も療養中の千代吉と手紙のやりとりを行っており、千代吉が秀夫(和賀)に会いたいと願っていることを告げ、千代吉に会って欲しいと頼みます。
それを聞いた和賀は、自分の過去が明るみに出ることがあれば現在の生活が崩れ落ちると考え、三木を殺害するしかないと決意したのでした。
秀夫は別人として生きていたんですね。
②犯行の動機は父がハンセン病だということを隠すためであること
2つ目のネタバレは、和賀英良の犯行の動機が「父がハンセン病だということを隠すため」だったということです。
偏見や差別を受けるハンセン病。
自分の父である千代吉がハンセン病患者だと世間に知られてしまうと、和賀英良としての現在の栄光が消え去ってしまうのではないかと考えたのでした。
砂の器のラストでは、新曲の「宿命」を発表する和賀英良が描かれますが、その演奏をBGMに、和賀が父の千代吉をさすらいの旅をしていた頃の映像も流れます。
辛い思いをしながら父と息子で支えあって旅をしていた姿からは、和賀がただ単に千代吉を切り捨てようとしているわけではないことが伝わります。
自分の人生を守るためには過去を捨てなければならない、「ハンセン病の父」はそれほど和賀にとって重い足かせになるということがわかりますね。
③父の千代吉も親子関係を隠したこと
3つ目のネタバレは、父の千代吉が和賀の事を「知らない」と言い張ったことです。
千代吉が暮らす療養所にたどり着いた刑事の今西が、車いすに乗せられ精魂尽き果てているようにうつろな目をした千代吉に1枚の写真を手渡し、こうたずねました。
「この男を知っていますか?」
その写真を手にした瞬間、千代吉は不自由な手で写真を握りしめ、大声で叫びました。
そして、痩せた細い体から絞り出すようにさらにこう叫びます。
「知らねぇ!俺はこんな男は知らねぇ!」
これは、ここで自分が「親だ」と言ってしまったら、成功をつかみ取った秀夫(和賀英良)がこの先どうなってしまうかを考えた末の千代吉の必死な返答でした。
息子のために、一目会いたいとずっとずっと願っていたにもかかわらず「知らない」と叫ぶ姿は胸を打ちます。
砂の器のネタバレ!「宿命」に込められた意味
砂の器では「宿命」という言葉が大きなテーマとなっており、映画でも重要な要素となっています。
「宿命」とは、逃れることができない運命のことです。
「ハンセン病の父をもつ」という自分ではどうすることもできない「宿命」に翻弄された和賀英良の人生。
映画の後半で発表した「宿命」という曲には、そんな和賀英良の悲しみや父との思い出、それを全て断ち切らなければ生きていけないという覚悟など、さまざまな思いが込められているのです。
砂の器のネタバレに関するQ&A
砂の器のネタバレに関するQ&Aは以下のとおりです。
以下でそれぞれ詳しく解説します。
①砂の器の原作のあらすじは?
東京都内の蒲田駅で起きた、ある殺人事件を担当する今西刑事の地道な捜査と犯人の和賀英良の過去を描いています。
天才音楽家として活躍していた和賀英良の父がハンセン病であり、それを隠すために和賀は自分の過去を知る三木謙一を殺しました。
人を殺してまで隠したい過去だったんですね。
②砂の器のリメイクはひどい?
1本目の映画化作品以外のリメイクはひどいという評判が多いです。
これは「和賀英良の父がハンセン病」という設定が変わってしまったことも影響しており、作品として深みがなくなったといわれがちです。
特に2019年にリメイクされた作品はハロウィンなども関係していたため、あまりにも現代的すぎて中身が薄いといわれました。
⇩砂の器のリメイクがひどいことに関しては以下の記事で詳しく解説していますのでご覧下さい。
③砂の器はハンセン病を扱っている?
砂の器の原作と1本目の映画化作品では、ハンセン病が物語全体の大きなポイントとなっています。
ただし、1974年以降のリメイク作品では「父がハンセン病」という設定は扱えなくなったため、精神病や殺人犯という設定に変えられていますので注意が必要です。
④砂の器はおかしい?
砂の器はおかしいといわれる点もあります。
今西刑事の勘が鋭すぎたり、血の付いたシャツの処分の仕方がロマンチックすぎるという理由でおかしいといわれてしまうようですね。
⇩砂の器がおかしいことに関しては以下の記事で詳しく解説していますのでご覧下さい。
⑤砂の器のカメダとは?
作品の前半に出てくる「カメダ」とは出雲の奥地にある「亀嵩(かめだけ)」という地名のことです。
当初は人名なのか地名なのかすらわからなかったので、物語のカギを握る謎めいたキーワードでした。
⑥砂の器のあらすじを簡単に教えて
天才音楽家の和賀英良は、ハンセン病の父・千代吉とのつながりを隠すために自分の過去を知る男・三木をぼく殺します。
刑事の今西によって真相は暴かれ、コンサートで「宿命」を弾いている和賀に逮捕令状が出され物語は幕を閉じました。
⇩砂の器のあらすじは以下の記事で詳しく解説していますのでご覧下さい。
⑦砂の器に中居君が出ている?
砂の器は2004年に中居正広さん主演でドラマとしてリメイクされています。
この作品では中居さん演じる和賀英良は天才ピアニストという設定でした。
⑧砂の器が放送できない理由は?
砂の器が放送できない理由は、ハンセン病を扱っているからです。
1本目の映画化の際、ハンセン病への偏見や差別を広げかねないという理由でハンセン病患者団体からの抗議を受け、松本清張さんの遺族たちが「今後ハンセン病を扱う作品を放送しない」と決めました。
⇩砂の器が放送できない理由は以下の記事で詳しく解説していますのでご覧下さい。
砂の器のネタバレまとめ
砂の器のネタバレについて解説しました。
最後に簡単にまとめると、以下の通りです。
- 犯人は和賀英良
- 犯行の動機は父がハンセン病だということを隠すため
- 父の千代吉も親子関係を隠した
- 「宿命」は和賀の気持ちが込められた作品
砂の器はハンセン病の父を切り捨てなければならない宿命にある和賀の内なる悲しみが胸を打つ作品です。
映画化されたことで、テーマ曲「宿命」に込められた思いを耳で感じることができますので、作品を是非チェックしてみてください。