砂の器(中居君版)の父親について教えてください。
このような声にお応えして参考となる記事をご用意しました。
こちらの記事では砂の器(中居君版)の父親について解説しています。
記事の内容を見ていただくだけで砂の器を更に楽しめますよ。
どんな父親だったのかな。
砂の器(中居君版)の父親は大量殺人犯
砂の器(中居君版)の父親は原作とは違い大量殺人犯という設定でした。
ポイントは以下の通りです。
以下でそれぞれ解説します。
①父の千代吉は大量殺人犯
和賀英良(わが えいりょう)の父である本浦千代吉は、30人もの人を殺した「大畑事件」の犯人でした。
そしてそれは「村八分(むらはちぶ)」が原因で、千代吉の妻が死んだことがきっかけでした。
事のはじまりは大規模なダム建設計画で、大畑村の住民は大きな選択を迫られていました。
ダム建設に反対して住み慣れた町を守るか、多額の保証金を受け取り別の土地に移るのか。
土地に愛着を持つ者が多かった大畑村は、ダム建設反対で統一され、他の村を含めての住民投票にゆだねられたのです。
しかし大畑村は負けてしまい、村民たちはそのやり場のない悔しさを、理不尽にも何の罪もない千代吉にぶつけました。
千代吉はリンチにあい、「お前らが賛成票入れたから負けたんや」「さっさとこの村から出て行け」と言われ村八分にされます。
そして妻の急病の時、村長や村の医者から無視され隣町へ向かう途中で亡くなってしまったことで千代吉の怒りが爆発し、村長や医者らをナタで殺害し、村中に放火したのでした。
事件のあった石川県の村はダムの底に沈み、当時住んでいた人を訪ねて事件を聞くと誰もが口を閉ざし、「鬼の親子や」という声もありました。
そんな千代吉は、自分が犯した大量殺人という罪を償うため自首しています。
これは赤井英和演じる三木のすすめであり、三木はその後、同情と責任感から千代吉の息子の秀夫(のちの和賀英良)を引き取ったのです。
大量殺人は、理不尽な村八分がきっかけだったんですね。
②病気になり医療刑務所にいた
父親の千代吉は死刑囚でしたが、肝硬変のため医療刑務所に服役中で病状が悪化したことも新聞記事という小道具を使って描かれました。
三木は千代吉に20数年も文通して「秀夫がいなくなったのは私の責任です。秀夫が生きている証を見せますから、どうかそれまでは生きてください」と書いていました。
さらに三木が和賀に会いに行った理由は、医療刑務所で不知の病にかかっている千代吉の死期が近づいていたため、秀夫にひとめ会わせてあげたかったらです。
そして殺害された三木について調べているうちに千代吉の存在にたどり着いた刑事の今西は医療刑務所に行き、和賀の写真を千代吉に見せました。
しかし「知らねぇ、そんな奴知らねぇ」と千代吉は言い放ちました。
この時千代吉は和賀が自分の息子の秀夫だと気づいてはいましたが、秀夫の今の人生を守るために懸命に知らないふりをしたのでした。
③息子との再会
ラストシーンにおいて今西と吉村が和賀を連れて行ったのは、千代吉がいる医療刑務所でした。
和賀はずっと大事にしていた、父との思い出の品である鍵盤ハーモニカを持って、千代吉と面会します。
父の顔を見た瞬間、和賀は「あなたの子供であることが嫌だった。本浦秀夫をこの世から消したかった。三木さんを殺してしまいました」と言って、泣き崩れました。
そんな和賀に、千代吉は手を差し伸べました。
和賀は「父ちゃん、父ちゃん!」と叫んでその手を握り返し、ようやく息子として「秀夫」に戻ることができたのでした。
砂の器(中居君版)の父親を演じたのは原田芳雄
砂の器(中居君版)の父親役は原田芳雄さんが演じました。
もともと実力のある俳優さんですが、砂の器の千代吉はもはや役者ではなく実在する人物にしか見えないほどのリアリティがあり、演技に見えないと評判になりました。
特に秀夫と2人でさすらいの旅をする場面で幼い秀夫を見つめる場面や、ラストシーンでの秀夫に手を差し伸べた時の表情などはセリフがなくても伝わる父親としての想いが十分に表現されていました。
砂の器(中居君版)の父親に関するQ&A
砂の器(中居君版)の父親に関するQ&Aは以下のとおりです。
以下でそれぞれ詳しく解説します。
①砂の器のあらすじは?
原作のあらすじは以下の通りです。
ある日、東京都大田区蒲田(かまだ)でぼく殺死体が発見されましたが被害者の身もとが分からず、捜査は難航します。
しかし、事件を担当した刑事・今西と吉村は地道な聞き込みを続け、被害者と酒を飲んでいた若い男の存在をつきとめました。
そして、2人の粘り強い捜査によって、やがてある著名な音楽家の男が捜査線上に浮かび上がります。それが和賀英良でした。
和賀英良の本名は本浦秀夫であり、父の千代吉がハンセン病であることを隠すために和賀が三木を殺したことがわかった今西たちは、コンサート当日に和賀を逮捕しました。
自分の過去を消すための殺人だったんですね。
②砂の器が放送できない理由は?
砂の器が放送できない理由は、ハンセン病を扱っているからです。
1本目の映画化の際、ハンセン病への偏見や差別を広げかねないという理由でハンセン病患者団体からの抗議を受け、松本清張さんの遺族たちが「今後ハンセン病を扱う作品を放送しない」と決めました。
⇩砂の器を放送できない理由は以下の記事で詳しく解説していますのでご覧下さい。
③砂の器の中居君版の相関図は?
相関図は以下の通りです。
犯人:和賀英良(中居正広)
刑事:今西修一郎(渡辺謙)、吉村雅哉(永井大)
父:本浦千代吉(原田芳雄)
恩人であり被害者:三木謙一(赤井英和)
恋人:成瀬あさみ(松雪泰子)
④砂の器はハンセン病を扱っている?
砂の器の原作と1本目の映画化作品では、ハンセン病が物語全体の大きなポイントとなっています。
ただし、1974年以降のリメイク作品では「父がハンセン病」という設定は扱えなくなったため、精神病や殺人犯という設定に変えられていますので注意が必要です。
⑤砂の器の中居君版のネタバレは?
砂の器の中居君版の最大のネタバレは和賀英良が最後に父の千代吉と再会する事です。
三木を殺してしまったことを父に泣きながら話す和賀の手を千代吉は温かくにぎります。
悲しい宿命を負った父と子の感動の再会シーンでした。
⑥砂の器の歴代キャストは?
主要人物の歴代キャストは以下の通りです。
刑事の今西栄太郎役ー丹波哲郎、仲代達矢、田中邦衛、渡辺謙、小林薫、東山紀之
刑事の吉村弘役ー森田健作、山本亘、伊原剛志、永井大、玉木宏、野村周平
犯人の和賀英良役ー加藤剛、田村正和、佐藤浩市、中居正広、佐々木蔵之介、中島健人
⑦砂の器の中居君版の最終回は?
和賀は新曲の「宿命」を発表するコンサートで演奏後、刑事の今西によって連行されます。
そして医療刑務所にて父の千代吉と再会を果たし、自分が三木を殺したことを父の涙ながらに告白しました。
千代吉と手を握り合い、最後は和賀英良ではなく本浦秀夫に戻る、という終わり方でした。
⇩砂の器(中居君版)の最終回については以下の記事で詳しく解説していますのでご覧下さい。
⑧砂の器の子役は?
本浦秀夫の子役時代を演じたのは春田和秀さんです。
高い演技力が視聴者の同情を誘い、伝説の名子役といわれました。
現実世界では18歳の時に電撃結婚し、芸能界を引退しています。
⑨砂の器のリメイクはひどい?
1本目の映画化作品以外のリメイクはひどいという評判が多いです。
これは「和賀英良の父がハンセン病」という設定が変わってしまったことも影響しており、作品として深みがなくなったといわれがちです。
特に2019年にリメイクされた作品はハロウィンなども関係していたため、あまりにも現代的すぎて中身が薄いといわれました。
⇩砂の器のリメイクがひどいことに関しては以下の記事で詳しく解説していますのでご覧下さい。
砂の器(中居君版)の父親のまとめ
砂の器(中居君版)の父親について解説しました。
最後に簡単にまとめると、以下の通りです。
- 大量殺人犯という設定
- 医療刑務所にいた
- ラストシーンで秀夫と再会
- 演じたのは原田芳雄
砂の器(中居君版)における原田芳雄さんの演技は見事で評判もかなり高いです。
原作とは違う設定ではありますが、千代吉と秀夫の絆が描かれていますので気になる方は作品を是非チェックしてみてください。