アルマゲドンには突っ込みどころが多いのですか?
このような声にお応えして参考となる記事をご用意しました。
こちらの記事では映画「アルマゲドン」には突っ込みどころが多いのかどうかについて解説しています。
記事の内容を見ていただくだけで「アルマゲドン」がさらに楽しめますよ。
どんな突っ込みどころがあるのかな。
アルマゲドンの突っ込みどころ
映画「アルマゲドン」には168か所もの科学的間違いがあると言われているんです!
まさに突っ込みどころだらけ、ですね。
映画「アルマゲドン」はNASAが撮影に協力しているのにも関わらずあまりに常識から外れているので、NASAでの初級管理職研修の教材に使われているんです。
研修を受ける職員は、この映画の中で NASAがどのように誤って描写されているかを探し出すそうですよ。
まるで間違い探しですね。
アルマゲドンで特に有名な突っ込みどころ10選
アルマゲドンの中で特に有名な突っ込みどころをご紹介します。
以下でそれぞれ詳しく解説します。
①スペースシャトルの中が無重力でない
映画「アルマゲドン」では乗組員たちが普通にスペースシャトルの中を歩いていますが、これは実際の宇宙空間ではありえないことです。
宇宙飛行士たちが浮きながら歯を磨いたり食事を摂ったりしている様子がテレビなどでも流れていますよね。
②空気のない宇宙空間なのに爆音や風がある
映画「アルマゲドン」ではスペースシャトルが衝突した際に大きな爆発音がしたり、風で機体が揺れる描写があります。
音は空気が振動することで伝わりますので、空気のない実際の宇宙空間ではありえないことなのです。風に関しても同じですね。
③隕石が衝撃波も出さずに飛んでくる
映画「アルマゲドン」では隕石がそのまま飛んできている描写がされています。
以前、実際にロシアに落下した隕石は大気圏で燃え尽きるほど小さかったのですが、地上の建物のガラスを多数破壊しました。
衝撃波も出さずに隕石が飛来することはあり得ません。
④直径数mもある隕石が何発も着弾
映画「アルマゲドン」では隕石がいくつか落ちたにも関わらず、ニューヨークのタクシーが数台壊れたくらいで大した被害は出ていません。
実際は、古代に恐竜の絶滅を引き起こしたほどの壊滅的な気象破壊が地球上に起こるはずです。
⑤小惑星の発見が遅過ぎる
映画「アルマゲドン」に出てきた直径1,200kmというテキサス州くらいの巨大小惑星というのは、火星の大きさの 18% くらいです。
それが地球に衝突する軌道で近付いて来ているというのに、NASAが気付いたのが衝突の18日前というのが遅すぎます。
アマチュア天文家でも何年も前に気が付くレベルの話なので、さすがにおかしいと突っ込まざるを得ないでしょう。
⑥たった12日間の訓練で一般人を宇宙に行かせる無謀さ
映画「アルマゲドン」では石油採掘員を12日間訓練させて宇宙へ向かわせています。
これは無謀の極みとも言うべきで、宇宙酔いで吐いたものを喉に詰まらせて窒息死してしまう乗組員が出て来ても不思議ではありません。
出演していたベンアフレックもマイケル・ベイ監督に「宇宙飛行士に採掘の訓練をさせた方が自然なのでは?」と進言したほどおかしな点です。
⑦スペースシャトルは小惑星に追いつけない
映画「アルマゲドン」ではスペースシャトルに乗って小惑星にたどり着きました。
しかし小惑星の速度は36,000kmです。
月の重力を利用して最高速度36,000kmを達成し、背後からシャトルで追いつくという作戦でしたが、小惑星は常に太陽と地球の重力により加速されており、地球に到達する時点での速度は61,000km(秒速17km)に加速されているので永遠に追いつけないはずなのです。
⑧可燃物がない宇宙ステーションで火災発生
映画「アルマゲドン」では宇宙ステーションで火災が発生していました。
宇宙ステーションの老朽化によって燃料漏れを起こしたことが原因だと描かれていましたが、そもそも可燃物のない宇宙ステーションで火災が発生することはありえません。
空気が無いと燃えません。
⑨小惑星のささくれ立った表面に胴体着陸
映画「アルマゲドン」では全く減速せずにキザギザの表面の小惑星に胴体着陸しました。
実際にそんなことをしてしまったら、機体の表面に多数の穴が開いて使い物にならなくなります。
⑩穴が浅過ぎる
映画「アルマゲドン」では核爆弾を地中に埋設して爆発させるためにハリーたちのような石油掘りのベテランを送りこみました。
しかし直径1,200km もの小惑星にたった240mの穴を掘っただけでは、あまりに表面の近くなので、「ゆで卵」の殻を割った程度にしかなりません。
爆発させるには穴が浅過ぎたのです。
アルマゲドンの突っ込みどころに関するQ&A
アルマゲドンの突っ込みどころに関するQ&Aは以下のとおりです。
以下でそれぞれ詳しく解説します。
①アルマゲドンのあらすじをネタバレ!
ある日、地球への衝突コースを取る小惑星が発見されました。
もしも、テキサス州の大きさにも匹敵するその小惑星が地球に激突すれば、人類の破滅はまぬがれません。
これを回避する方法はただひとつ、小惑星内部に核爆弾を設置し、内側から破壊するしかありませんでした。
そしてその任務に選ばれたのは石油採掘のスペシャリストたち。
刻々と迫る滅亡へのカウントダウンの中、人類の運命を委ねられた14人の男たちは小惑星へと飛び立ったのです!
最大のネタバレは「最後には地球が救われること」です。
主人公のハリーが自ら犠牲になって起爆装置を作動させたことで、隕石は地球に衝突することはありませんでした。
そしてハリーが身代わりになってくれたおかげでAJは無事に地球に帰還し、ハリーの娘グレースと結婚式を挙げたのです。
是非作品を観てみてくださいね。
⇩アルマゲドンのあらすじは以下の記事で詳しく解説していますのでご覧下さい。
アルマゲドンのあらすじは?5つの重要ポイントごとに徹底解説!
②映画「アルマゲドン」はひどい?
科学的に間違っているシーンが多いため、そういう意味ではひどいと言われています。
ただ、科学的な観点を一旦おいておいてストーリーだけに着目すると、感動的な名作だとも言えますよ。
実際、間違いだとわかっていても最後に泣いてしまう方が多くいる、そんな作品です。
⇩アルマゲドンがひどいことに関しては以下の記事で詳しく解説していますのでご覧下さい。
③アルマゲドンが人気なのは日本だけ?
日本では感動の名作として有名なアルマゲドンですが、アメリカでは不名誉な賞も受賞しているんです。
毎年アカデミー賞の受賞式の前夜に「最低」な映画を表彰するゴールデンラズベリー賞では、作品賞や監督賞に選ばれてしまっています。
興行収入も日本では142億円でしたがアメリカでは2億157万ドル(日本円で約160億)でした。
アメリカの規模にしては少なすぎます。
④アルマゲドンの科学考証は?
映画「アルマゲドン」はその間違いの多さから、科学的考証は二の次とされたのだといわれています。
数か所程度ならともかく、168か所もあるとなると科学的考証があったとはとても考えられませんよね。
⑤アルマゲドンの頭おかしい人とは?
映画「アルマゲドン」の中で頭がおかしいと言われる登場人物はロックハウンドです。
錯乱してガトリング機関銃を撃ち始めるなど奇行に走り、スペースシャトル内にテープで拘束されてしまった人物です。
また彼はもともと地球に帰るつもりがなく、最後のミッションを自分にやらせろとわめいたりもしました。
⑥アルマゲドン2021とは?
映画「アルマゲドン2021」はエリック・ロバーツ主演、2020年に製作された作品です。
本家「アルマゲドン」と同じように隕石が地球に衝突する危機を回避しようとするストーリーですが、核ミサイルでは太刀打ちできません。
主人公である科学者のアレキサンドラがレーザー兵器を開発して事態を収めようとしますが・・・続きは是非ご覧ください。
⑦アルマゲドンの隕石の大きさは?
映画「アルマゲドン」の中でテキサス州に匹敵する大きさの隕石という表現がされました。
テキサス州というと1,000kmを超えるサイズですので、かなり大きかったようですね。
アルマゲドンは学生からも突っ込まれていた
映画「アルマゲドン」の科学的間違いは、大学生にも指摘されるほどなんです。
2011年にいギリスのレスター大学の化学専攻の学生から
- 設定上の小惑星のサイズ
- 自転スピード
- 地球からの距離
などを考慮すると、その爆破規模は科学的に間違っているとレポートされました。
NASAの研修資料だけでなく大学生の研究対象になるほど間違いの多い映画だということがわかりますね。
アルマゲドン以上に突っ込みどころのあるトンデモ映画
映画「アルマゲドン」は突っ込みどころだらけといわれていますが、それ以上に非科学的な映画があるのをご存じですか?
それはローランド・エメリッヒ監督の2022年の作品「ムーンフォール」だそうです。
アメリカの天体物理学者のニール・デグラス・タイソン博士が米ラジオ番組「The Jess Cagle Show」で以下のように話しました。
コロナ禍で公開された映画で、ハル・ベリーが出演している映画だ。月が地球に落ちてくるというストーリーなんだが、月は実際には空洞で、なかには人工物があって、アポロ計画の真相は月の生物に食料を与えるためだったいう。あの映画を見ながら、『アルマゲドン』が最低のトンデモ映画だと思っていたが、自分が間違っていたようだ、と悟ったよ」
そんな「ムーンフォール」のあらすじは以下の通りです。
原因不明の力によって月が本来の軌道から弾き出され、あと数週間で地球に激突するという驚くべき事実がNASA(アメリカ航空宇宙局)にもたらされます。
NASAは現地調査を試みようとするが、同時に組織内部で、とある情報が隠ぺいされていたことが発覚しました。
地球と月を救うため、
- NASAの副部長ジョー・ファウラー
- 過去のある事件からNASAをクビになった元宇宙飛行士のブライアン・ハーパー
- 天文学博士を自称するKC・ハウスマン
の3人が立ち上がり、未曽有の危機に立ち向かいます。
続きは是非ご覧ください。
アルマゲドンの突っ込みどころを指摘するタイソン博士
タイソン博士が「アルマゲドン」を批判する最大の理由は、小惑星をわざわざ爆破しなくても、軌道を変える方法があるからだといいます。
博士は「アルマゲドン」についてこう話しました。
「1秒あたり1センチ、右方向へ移動させれば、宇宙空間では摩擦がないため、小惑星は右方向へ移動し続ける。もし十分に早い段階で行えば、小惑星は地球に衝突せず、地球の前を通過させることもできるし、地球の後ろを通過するように速度を落とすこともできる」
博士としては映画の中でハリーがわざわざ犠牲になってまで隕石を爆破させたことに納得がいかなかったようですね。
アルマゲドンに対するその他の突っ込みどころ
映画「アルマゲドン」に対する突っ込みどころは実は他にもまだあるんです。
1つは、核物質が足りない、という点です。
軌道を変えるための核爆弾のエネルギーを得るためには 4000億トンのウランが必要なのですが、ウランの地球埋蔵量は 600万トンしかありません。
もう1つは仮に小惑星が割れたとしても、割れたままで地球に衝突するだけである、という点です。
割れた隙間に地球をくぐらせたければ、割るのは冥王星より遠い位置で行う必要があります。
衝突 18 日前に発見したという時点で既に対策可能な状況にはなかったはずなのです。
十数年前に発見されていれば、ブースターでも小惑星表面に建設して何年もかけて少しずつ加速して衝突コースから外すのが真っ当な対処法だったと言われています。
アルマゲドンの突っ込みどころに関する評判や口コミは?
アルマゲドン。
科学考証がむちゃくちゃで突っ込みどころ満載。本場で酷評されゴールデンラズベリー賞に選ばれる。でも、おもしろい。 pic.twitter.com/8SkzPXK1IL
— 市川家の乱 (@N37RtHPRmiR580t) August 19, 2023
「アルマゲドン」の突っ込みどころに関するつぶやきを投稿している人もいます。
アルマゲドンは科学的に間違いだらけだとわかっていても、最後には「それでも面白い!」と評価しているようですね。
「アルマゲドン」の突っ込みどころは科学的な面だけではない
映画「アルマゲドン」では科学的な間違いが突っ込みどころとして挙げられることが多いのですが、実は登場人物の行動もすごいんです!
例えばオープニングでのあるシーンでは、主人公ハリーが自分の娘に手を出した部下A.J.に散弾銃を向けます。
おどしのためかと思いきや、実際に撃ちながら追いかけるんです。
しかも、その場所というのは、まさかの海上の石油採掘場でした。
もし石油に引火したら大爆発、というとんでもないシーンだったのです。
確かにこのシーンも大きな突っ込みどころですね。
アルマゲドンの突っ込みどころに関するまとめ
アルマゲドンの突っ込みどころについて解説しました。
最後に簡単にまとめると、以下の通りです。
- 映画「アルマゲドン」には科学的間違いが168か所ある
- 間違いが多すぎでNASAの研修資料になっている
- 特に有名な間違いは10か所
- 「アルマゲドン」を超えるトンデモ映画が存在する
- 主人公ハリーの行動も突っ込みどころ満載
以上、アルマゲドンの突っ込みどころに関する解説でした。
168か所の間違いを探しながら「アルマゲドン」を鑑賞してみるのも面白いかもしれませんね!