ファイトクラブのあらすじについて教えてください。
このような声にお応えして参考となる記事をご用意しました。
こちらの記事ではファイトクラブのあらすじについて解説しています。
記事の内容を見ていただくだけでファイトクラブがさらに楽しめますよ。
どんなストーリ―なのかな。
ファイトクラブを9つのポイントごとに徹底解説!
ファイトクラブのあらすじを以下の9つのポイントに分けて解説します。
以下でそれぞれ詳しく解説します。
①オープニング
テログループが爆弾を仕掛けたビルの最上階で、主人公「僕」がタイラー・ダーデンの銃をくわえているところから物語は始まります。
爆発までの時間を計りながら、「僕」に計画が滞りなく進んでいることを自慢気に伝えるタイラー。
「僕」は仕事で全米を飛び回り、マンションに住み家具はIKEAで揃え、物質的・経済的には不自由ない生活を送っていましたが精神不安定で不眠症に悩まされていました。
そんな「僕」は医者から「世の中にはもっと大きな苦しみを持ったものがいる」と言われこうがんガン患者の会を紹介されます。
「僕」はこうがんがなくなり、ホルモンバランスが崩れて乳房が生えたボブという大男となぐさめめ合い、赤の他人の悩みを聞いた「僕」は他の参加者のように泣き崩れ、その日はぐっすりと眠ることができました。
味をしめた僕はその後もさまざまなグループをたずねることにします。
末期ガン患者や結核患者など、あらゆる患者になりすまして悩みを聞き、安眠を手に入れていた「僕」でしたが長くは続きませんでした。
「僕」には癒しが必要だったんですね。
②マーラとの出会い
「僕」は自分と同じように患者になりすましてあらゆるグループに出席する女、マーラ・シンガーと出会ってしまいました。
観光客のように振る舞う彼女のことを思うと、「僕」はまた眠れなくなりました。
ある日「僕」はマーラのインチキを直接問い詰めることにします。
偽物がいたら泣くことができないと追い払おうとしますが、マーラは「僕」の言うことなど聞こうとしません。
渋々、せめて顔を合わさずに済むよう、訪ねる集会をそれぞれで分担することにしました。
さらに仕事で「僕」は出張ばかりでした。
空港から空港へ飛び回り、「僕」は人生に残された時間が目減りしていくことに落ち込みます。
マーラの登場でせっかくの癒しに効果がなくなってしまったんだね。
③タイラーとの出会い
ある飛行機の中で「僕」は自分と同じスーツケースを持った男と隣どうしになりました。
石けんの製造販売をしているというその男の名前は、タイラー・ダーデン。
タイラーと出会った後、マンションの部屋を何者かに爆破された「僕」は、もらった名刺を頼りにタイラーに連絡します。
持っていたものを全て粉々にされた!となげく「僕」に、「物に支配されている」とタイラーは言います。
そしてタイラーは僕に「1つ頼みがある」と言いました。「俺を力一杯殴ってくれ」
「僕」は戸惑いながらもタイラーを殴りタイラーも「僕」を殴りました。
その後「僕」はタイラーの家に泊めてもらうことになり、ボロボロの屋敷の汚いベッドの上で、「僕」は久しぶりにぐっすり眠ることができたのでした。
④ファイトクラブの創設
居候を始めた「僕」とタイラーは、時々バーの駐車場で殴り合いをするのが習慣になります。
それに興味を持った男たちがファイトに参加するようになりました。
ファイトを始めてから「僕」は日常生活の音が遠のき、仕事中も頭にあるのは週末のファイトのことだけになっていきました。
「僕」は社会で失った本能を取り戻した気がしていたのです。
参加者が増えたため殴り合いの場所を地下室に移し、この集会をタイラーはファイト・クラブと名付けルールを決めました。
「ファイト・クラブ ルールその1。ファイト・クラブのことを決して口外するな」。
アザだらけの顔で「僕」は会社に通っていましたがもう不眠に悩まされることはありません。
タイラーの住むボロ屋で2人暮らしをし、タイラーから誰でもできる簡単なテロの方法の話やいかに社会が偽善にあふれているかといった話を聞きました。
さらには高級美容クリニックから捨てられた人間の脂肪を盗み、脂肪から石けんを作って売る副業にも手を出し始めました。
⑤マーラの再登場
しかしある日、“ガンのような女”マーラが「僕」に電話をかけてきました。
睡眠薬を沢山飲んだから助けてほしいと話すマーラですが、「僕」は無視してそのまま出かけます。
しかし放置された電話を代わりにタイラーが手に取り、マーラの元に出かけ、彼女を家に連れ込み親密な関係を持ちます。
またしてもマーラに生活を奪われたと感じた「僕」は怒りました。
⑥爆弾と痛み
そんなある夜、刑事から「僕」の家が爆破した原因は誰かが仕掛けた爆弾の可能性があると電話がかかってきました。
「僕」とタイラーは石けんの製造に必要な脂を手に入れるため、病院のゴミ箱をあさります。
「お前はまだ破滅を知らない」というタイラーと言って彼はいきなり「僕」の腕に化学薬品を振りかけます。
皮膚を溶かしていく痛みに叫びをあげる「僕」。
痛みをそむけようとする「僕」にタイラーは「痛みを受け入れろ」と言いました。
「苦痛も犠牲もなしには何も得られない。今は人生最高の時間だ」というタイラーの手の甲にも薬品の火傷の跡がありました。
⑦ファイトクラブの変化
ファイト・クラブの会員は増加し続ける一方でした。
タイラーは“課題”と称し、会員に様々なことをさせます。
- 街で通りかかる赤の他人にいきなり喧嘩をふっかけて負けたり
- 広告が消費者に買わせようとする製品を破壊したり
- レンタルビデオの磁気を妨害したり
「僕」も上司に喧嘩をふっかけ、自分で自分を殴って上司から暴力を振るわれたと言って回り、金を巻き上げて自由の身になります。
タイラーの行動はだんだん過激化していき、自宅には黒服に身を包んだ志願者集団“スペース・モンキーズ”が現れます。
彼らはタイラーの発案した“騒乱計画(プロジェクト・メイヘム)”を実行するテロリスト集団でした。
自分をのけ者にするタイラーに「僕」はいらだち始めます。
そのうちスペース・モンキーズからも死者が出るようになり、警察はこれらの破壊行為と戦う対策を発表しようとしました。
しかし、直前に会見場に乗り込んだタイラーとスペース・モンキーズが警察のトップを拉致、脅迫したことにより発表は取りやめになってしまったのです。
⑧消えたタイラーと明らかになった事実
そんなある日、タイラーは突然姿を消しました。
タイラーが消えた後も進行していく“プロジェクト・メイヘム”。
「僕」は計画の全貌を知るため、タイラーの部屋にあった飛行機の半券から足取りをつかもうとします。
行く先々にファイト・クラブの在り処がありましたが、彼の部屋はどこにもありません。
すると会員の1人が「僕」のことを「タイラー」と呼びました。
「僕」は驚き、マーラに電話をかけましたが彼女も「僕」のことを「タイラー」と呼びます。
タイラーは「僕」のもう1人の人格だったのです。
突然目の前に現れたタイラーに「自分は人生を変えたいと願っていた“僕”が作り出した理想像」だと言います。
タイラーが眠っている時は「僕」が活動し、「僕」が眠っている時はタイラーが活動していたのです。
気を失い、目を覚ました僕は“スペース・モンキーズ”の社会を混乱に陥れる計画を止めるべく警察やビルの管理会社に連絡しますが、応対するのは皆ファイト・クラブの会員ばかりでした。
仕方なく「僕」は自分の手で爆弾を止めようとしますが、タイラーが目の前に立ちはだかります。
⑨クライマックス
爆弾が仕掛けられたビルの最上階で、「僕」はタイラーの銃をくわえている、というオープニングシーンに戻ります。
もうすぐ金融は崩壊し、社会に平等が訪れるとタイラーは言います。
「僕」は彼を止める術を考えます。
タイラーは自分の幻覚であり、タイラーの銃は「僕」の手の中にあります。
「僕」は銃を自分の顔へ向け、引き金を引くと弾がほほの肉を切り裂きました。
タイラーの幻覚はその瞬間、消え去りました。
そこへプロジェクト・メイヘムのメンバーがマーラを連れてやってきます。
「僕」はマーラを解放するように言い、メンバーたちにビルから脱出するように告げました。
「俺を信じろ。これからはすべてうまくいく」と言って「僕」とマーラは自然と手を取り合い、窓の外で崩壊していくビルを見つめました。
その後どうなったのかは観客の想像にゆだねられています。
ファイトクラブのあらすじは原作と同じ?
ファイトクラブには原作があります。
映画は1999年に公開されましたが、原作の長編小説は1996年にチャック・パラニュークによって発表されました。
池田真紀子氏による日本語訳もハヤカワ文庫から出版されていますので、気になる方は読んでみてはいかがでしょうか?
原作と映画の違いは以下の通りです。
タイラーの性格
映画ではクレイジーでカリスマ性のあるキャラクターでしたが、原作ではもう少し冷静で非情なテロリストという印象です。
「僕」の会社での行動
「僕」が上司に喧嘩をふっかけ、自分で自分を殴るシーンは原作にはないものなので是非映画で楽しんでみてください。
逆に、会社のコピー機にファイトクラブの会報を忘れ、私用でコピーしていたことがバレて開き直るシーンは映画よりも原作の方がより細かく面白く描かれています。
同じシーンを比べながら違いを楽しむのもおすすめです。
ビルの爆破
映画では金融ビルが爆破されていき、その後どうなるのかは観客の想像にゆだねられました。
しかし原作ではビルは無事だったことが明らかになっています。
タイラーが消えるという結末は同じですが、外の世界への影響に関しては大きく違うのも面白い点ですね。
ファイトクラブのあらすじに関するQ&A
ファイトクラブのあらすじに関するQ&Aは以下のとおりです。
以下でそれぞれ詳しく解説します。
①ファイトクラブに一瞬映るのは?
ファイトクラブの中では一瞬ですが、タイラーが映り込むシーンがいくつかあります。
上映当初は、1回観ただけでは気づかなかった人も多かったようですね。
気になる演出ですね。
⇩ファイトクラブに一瞬映ることに関しては以下の記事で詳しく解説していますのでご覧下さい。
②ファイトクラブのマーラは同一人物?
マーラという女性について、実は「僕」と同一人物なのではないかという考察があります。
「タイラー」ほどはっきりとした描写はありませんが、男性しかいないはずの自助グループに参加していたり、タイラーや僕に本質的に似ていたことからもマーラ=僕であるという説は確かに納得がいきます。
③ファイトクラブの解説は?
ファイトクラブはただの暴力映画ではなく、資本主義社会の矛盾や現代人の奥深くに眠る心理を表現しているといわれています。
特にラストシーンでビルが破壊されていく様子は、物質至上主義の社会の崩壊と新たな始まりをあらわしていると考察されています。
④ファイトクラブにおけるサブリミナル効果とは?
サブリミナル効果とは、ある画像を映画本編の中に一瞬だけはさみこむことで観客に無意識にすりこんでいく効果のことです。
ファイトクラブにおいては登場前のタイラーを一瞬映り込ませるシーンを散りばめることによって、少しずつ観客の潜在意識に存在をアピールしていました。
⇩ファイトクラブのサブリミナル効果については以下の記事で詳しく解説していますのでご覧下さい。
⑤ファイトクラブのサブリミナル画像が使われたシーンは?
ファイトクラブでは以下の4つのシーンでサブリミナル画像が使われました。
- 「僕」が会社でコピーをとるシーン
- 医者にがん患者の会に参加するようにアドバイスされるシーン
- こうがんガン患者の会に参加しているシーン
- 結核患者の会から離れていくマーラを見届けるシーン
⇩ファイトクラブのサブリミナル画像については以下の記事で詳しく解説していますのでご覧下さい。
⑥ファイトクラブの最後のセリフとは?
ファイトクラブの最後のセリフは「You met me at a very strange time in my life.」です。
日本語訳すると「出会ったタイミングが悪かった」となります。
「僕」がマーラにかけた言葉でした。
⑦ファイトクラブのラストはなぜ死なないの?
「僕」が撃ち抜いたのは頭ではなく、自分のほほだったからです。
「僕」の世界ではタイラーの頭を撃ったように見えていたため、タイラーは「僕」の中では消えました。
⇩ファイトクラブのラストでなぜ死なないかは以下の記事で詳しく解説していますのでご覧下さい。
ファイトクラブのあらすじまとめ
ファイトクラブのあらすじについて解説しました。
最後に簡単にまとめると、以下の通りです。
- 物語の始まりと終わりは同じシーン
- マーラの存在がポイント
- ファイトクラブの変化も見どころの1つ
- 原作と映画は少し違う
ファイトクラブは殴り合いなどの暴力シーンもありますが、それ以上にストーリーが面白い作品です。
自分の生き方を見直すきっかけになるかもしれませんので、ぜひチェックしてみてください。